金銀花 No.46〜No.50
金銀花 No.46:【年末年始のご挨拶】
今年も一年が終わろうとしていますが、連日covid-19の話題ばかりでしたね。
ワクチンの接種も何ヵ国かで始まりましたが、効果は未知数ですし、変異株が現れたらインフルエンザウイルスのように、イタチごっこをくり返すようになるかもしれません。
いつまで感染との戦いが続くのか予想もできないですが、一番の予防は体力補強です。感染しないことが理想ですが、このまま広がる可能性が高くなると他人ごとではなくなります。
たとえ感染しても重症にならず、早く回復するように日頃から体調を整えていきましょう。
年末年始は自粛ということで、ご自宅でのんびりというかたが多いと思います。 わが家もふたりだけの静かなお正月になりそうで、ちょっとさみしいですが我慢ですね。 時間もありそうなので、気合を入れてお節料理を作ってみようかしら。
中国最古の医学書の「黄帝内経」には、冬は「閉蔵」の季節なので、夜は早めに寝て朝はゆっくりと起き、エネルギーを体内に蓄え、 陽気を失わないように過ごすことが一番の養生、と書かれています。冬は「腎」の季節で、「黒いものを食す」ということで、お節料理には黒いものがたくさん入っています。
今年もマメに暮らせるように」という願いが込められていて、むくみにもいいし糖質の消費に必要なビタミンB1も豊富です。
腰の曲がった老人に見立てた、長寿のしるしの海老。身体を温めて足腰を丈夫に。殻はカルシウムが豊富で、免疫力も高めます。
栗きんとんは黄金色の塊が財産にたとえられています。 疲れにもいいですし、お腹が冷えて痛いときにもおすすめです。
昆布巻きの昆布は「喜ぶ」、昆布は高血圧やむくみのほかに、身体のしこりをほぐし、子宮筋腫、便秘などにも使用されます。
クワイは、塊茎から勢いよく芽が出ている様子が「芽が出る」ので縁起が良いとされます。でんぷん質が多く、ミネラルのリン、鉄カリウム、ビタミンの葉酸なども豊富な健康野菜です。
最近は、イタリアン、フレンチ、中華など、お節も個性豊かになっていますので、いろいろ楽しみながら、栄養と体力を補強して、来年は「疫病退散」の年にいたしましょう。今年一年、ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。みなさまのご健康とご多幸をお祈りしています。
金銀花 No.47:【春の季節の養生】
今年も桜の開花が始まって、韮崎駅前も満開でとてもきれいです。 早咲きの種類のようで、ソメイヨシノよりピンクが強くて可愛らしいです。
早速写真を撮りましたので、どうぞ雰囲気をお楽しみください。 何年か前までは、地区のシニアのみなさんが、桜の木の下で 「お花見の会」をしていたのですが、いつの間にかそんな イベントもなくなってしまいました。これから感染症が増えると、ますますイベントの自粛が多くなってさみしいですね。
私事ですが、新年早々大けがをしました。 階段の4段目か5段目か、はっきりしないのですが、派手に落ちてしまってかなりの捻挫をしてしまって、2ヶ月半になりますが、 ようやく人並みに歩けるようになりました。
年令が高くなると、家の中のケガが一番多いといいますから、どうぞみなさまもご用心ください。
春は風の吹く日が多く、春一番の後はだんだん気温の変化が大きくなって三寒四温の日が続きます。 朝と昼そして夜と、一日のなかでも、気温が大きく変わるので、上気道の感染症、喉や鼻の炎症を起こしやすくなります。
原因はウイルスや細菌だけでなく、花粉やほこり、PM2.5など、いろいろありますが、風に乗ってくる邪気なので、「風邪」といいます。発熱、悪寒、体のこわばり、鼻詰まり、鼻水、咽喉痛などの症状は、外からの「外風」と考えて「頂調顆粒」「銀翹散」などで炎症を治します。
春の花粉症の症状も目の充血と痒み、くしゃみ、鼻水、咳などで、 「風邪」のひとつですから、同じように炎症に良いものを使います。 気を付けたいのは、春は体の内部でも「風」が発生しやすくなるということです。
これは中医学で「内風」といって、めまい、頭痛、耳鳴り、ふらつきが出やすくなります。 気温の変化が大きいと、血管の収縮と拡張が激しくなりやすいので血圧にも影響して、血管や心臓の病気も起こしやすい季節なので養生が大切です。
ゆったり散歩をしてからだを伸びやかに、春の陽気を取り込みましょう。
日の出も早くなりますからちょっと早起きをして活動的に動きましょう。
ゆったりした服装で、髪の毛を風で梳かすような気持ちになりましょう。
ストレスを感じたり息がつまる時は、柑橘系の香りの良いものやセロリなどの 香味野菜を摂りましょう。酢の物、梅干し等の酸味もオススメです。 気分も軽やかに、新しい季節を楽しみましょう。
金銀花 No.48:コロナウイルス
コロナウイルス。変異株も現れて感染力が増々強まる勢いで悩ましいです。ウイルスは変異したら必ず強くなるということはなく、弱いほうに変異することもありますが、人間にとって悪影響になるものが強くなるということになります。
厚生労働省の発表をみると、2020年6月以降の統計では、重症化の割合は約1.6%(50代以下0.3%、60代以上8.5%)、死亡する割合は約1.0%(50代以下0.06%、60代以上5.7%)となっています。
統計を見る限りほとんどは軽症者ですが、自宅療養している間に重症化して入院先が見つからずに亡くなるということが問題だと思います。
感染がわかった時点で、悪化する可能性を考えて治療を始められるようにすることで、重症化も死亡者ももっと少なくなるのではないでしょうか。
漢方薬の利点は副作用が少なく長い歴史が安全を保障するので安心して使えます。 感染してから対処するより感染予防でお茶のようにのむともっと効果的です。
インフルエンザの予防に板藍根をおすすめしていますが、金銀花、薄荷、藿香、黄蓍、防風などの生薬を煎じてお茶代わりに飲むといいですね。
虚弱体質、疲労倦怠感、寝汗などに効果がある「衛益顆粒」は黄耆、白朮、防風の生薬が体力をつけるので、ウイルスや細菌からからだを守る「衛気」をつけます。いわば、体表にバリアを張りめぐらせて邪気の侵入を阻止して、病気になる前に防ぎます。普段から風邪を引きやすいとか、粘膜が弱くてすぐ咽喉が痛くなるというかたにも安心してのんでいただけます。
人参、五味子、麦門冬の3つの生薬で、宗気(胸中の気)を養う「麦味参」も体力増強におすすめです。 飲む点滴”ともいわれ、虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え性、発育期に子どもから大人までだれでも飲みやすい処方です。
ワクチン接種しても変異株に感染する可能性もありますし、どんなに気をつけても逃げきれないかもしれません。山梨県にもまん延防止法が適用され、自粛生活の中で毎日おうちごはんですから、メニューに悩むと思いますが、野菜や魚もなるべく火を通したものを食べるようにしましょう。
消化器の温度は37度が最適、最強といわれています。 冷たい食べ物や飲み物でおなかを冷やすと、腸免疫力が下がりますし、おなかをこわすと体力低下につながります。
まだ、トンネルの出口が見えない状況ですので、漢方の応用と屋外での適当な運動。そして暖かい食事で感染予防をこころがけていきましょう。
金銀花 No.49:2022年、「壬寅」は中医学の五行説でいうと相生、新しい成長の礎です
今年もありがとうございました。年明けからのコロナ環境の中で勉強会も会議もZOOM会議になって、すっかり出不精になった気がします。12月に入って、今年初めて東京での会議に出かけたのですが、なんと韮崎駅のみどりの窓口も無くなってしまいえきねっとで買ったのですが、ちゃんと買えたのかどうか発券するまで心配でした。年々新しいネット環境について行くだけで大変です。
来年は更新できないままのSNSも再開しよう。でも続ける自信がないなあ。という気持ちが変わりばんこに出入りしていますが、ハートは前向きに行きますので来年もよろしくお願いします。
来年。2022年、「壬寅」(みずのえとら)は中医学の五行説でいうと相生(水生木)となります。相生というのは水が親で木が子の関係を現していて、水が気を育てることを意味するので厳しい冬を越えて芽吹き始め、新しい成長の礎となるイメージです。
壬は「妊」に繋がる字ですので、来年も赤ちゃんがたくさん生まれるようにと思います。そうして生まれた赤ちゃんも高校生になったり、もう社会人として働いている女性もいますが、成人した後もご相談にきてくださると、
とてもうれしくて励みになります。
最近の体調不良のご相談のなかで気になるのは睡眠障害です。不眠の原因はいろいろですが、睡眠時間が短かったり就寝時間がすごく遅かったりと、生活習慣が不規則なのが気になります。
眠りたい..けど眠れない!!入眠剤が習慣になっていることもありますが不安を感じながらのんでいることが多いので、ぜひ、体質に合った漢方薬で自然な眠りをとれるようになってほしいです。
●過労で食欲がないときには心脾顆粒
●仕事のストレスや環境の変化で眠れないときには温胆湯
●不規則な生活が続いて眠れないときには天王補心丹
いずれも酸棗仁湯を一緒にのむと効果的です。
簡単に眠る前に飲みたいなっていうときにはねむこらドリンクがあります。何となく眠れないかなって思うときに1本。味もやさしくて口当たりもまろやかで気持ちもトロトロしてきます。
そして一押しの安眠ドリンクはオイスターゼリー。眠って起きるのが楽しみなドリンクです。味もとても良くて私も気に入っているんです。試飲もできますのでぜひお出かけください。来年もみなさまが元気で活躍できるようにお役に立ちたいです。
ヒトは『覚醒中枢』と呼ばれる神経のオンオフによって起きたり眠ったりしています。ちゃんと眠れる方は、夜になると『睡眠物質』という物質を脳内でつくれるので、ぐっすり眠ることが出来ますが、眠れない方は、この『睡眠物質』が脳内で十分につくられていないことが考えられます。脳内でしっかり睡眠物質をつくることが対策の一つです。
ヒトは『覚醒中枢』と呼ばれる神経のオンオフによって起きたり眠ったりしています。ちゃんと眠れる方は、夜になると『睡眠物質』という物質を脳内でつくれるので、ぐっすり眠ることが出来ますが、眠れない方は、この『睡眠物質』が脳内で十分につくられていないことが考えられます。脳内でしっかり睡眠物質をつくることが対策の一つです。
ミネラル・ビタミンが不足すると、脳内もミネラル・ビタミン不足になります。すると睡眠物質のつくられる量も
不足してしまい、覚醒中枢が抑えられず、ぐっすり眠りづらくなります。ミネラル・ビタミンをしっかり摂ることで、睡眠物質をつくる働きが活発になり、この睡眠物質が覚醒中枢を抑えることでぐっすり眠ることが出来ます。つまりミネラル・ビタミンの補給が良い睡眠をとる上で非常に大事なのです!
金銀花 No.50:早く日常が戻ることを願う春
一気に季節が動いて春がやってきました。
covid-19の感染は新たな変異株も出て収まる気配もないですが、ずっとこのままというわけにもいかず、でも完全に自由になるのも心配で、もどかしいところです。この2年間すべての人がマスク生活を余儀なくされていますが、産まれた赤ちゃんももうすぐ3才になります。目に入る大人はみんなマスクをしているし、保育園でも幼稚園でも先生の目しか知らない子供が沢山います。
先日、高校生が卒業アルバムの写真を撮ることになって、順番にマスクを外したらすごく受けたっていう笑い話にもならない現実にショックを感じました。 先生の(^-^)お友達の(^o^)笑ったヽ(^。^)ノ怒った(‘ω’)早く日常が戻ることを願うばかりです。
春の3ヵ月は発陳といって「春の陽が上昇することで、冬のあいだじっと潜んでいた気が発散して、天地の間に万物がみな発生する」という期間です。
春は肝の季節。ストレスの影響を大きく受けやすく感情をコントロールする臓器で「木」を表します。木は春になると枝を伸ばして葉っぱも成長して、大きく広がっていきます。このことを「条達を好む」といいます。
私たちの身体も新陳代謝が活発になって、血液を貯蔵したり解毒する肝の働きが活発になります。ストレスがうまく発散できないときや疲れが溜まってしまうと「肝」の働きが崩れて「気」の巡りが悪くなります。イライラやめまい、頭痛、目が充血するという症状が出るひともいれば、だるさや疲れ、食欲不振、気力の低下や思い悩むという症状のひともいます。はっきりした原因がないのに不快な症状に振り回されてウツ症のようになることもあります。
胃腸が弱くて気のめぐりが良くないとかアレルギーがあるときには紫蘇の葉や陳皮、生姜が原料の香蘇散がおすすめです。ボーっとしてだるさを感じるときには血を補う婦宝当帰膠を飲みましょう。
春の味は酸味です。香りがよくて酸味のあるものは柑橘類ですから無農薬の夏みかんの皮やレモンの皮を入れたミントティ―を飲んでみましょう。気のめぐりが良くなります。和風がお好みなら、ほうじ茶に梅干し、紅茶にカボスを絞って飲むのも意外に美味しいです。中医学の古典、黄帝内経には「春の朝は早めに起きて朝日を充分に浴びるのが良い」と書かれていて、いまの時期に活動せず気持ちが沈んだままだと、夏になっても汗が出ないで冷え性になる。と書かれていますから、意識してからだを伸ばして背伸びなどしてみませんか?
からだが冷えるとアレルギー症状も出やすくなるので、冷たい物は避けてゆっくりバスタブに浸かってリラックスして気のめぐりを良くしましょう。