月経停止にはいろいろな理由があります
月経停止
初潮から比較的順調な月経周期であったひとが、3ヶ月以上月経が来ないときに月経停止といいます。極端なダイエットや過度のストレス、多嚢胞性卵巣、出産時の大出血。また大きな病気をしたのがきっかけとなる場合などいろいろな理由があります。
<1>過度のダイエット。
若いときは顔の筋肉も発達し保水力も多いので顔が丸くなります。からだの割にふっくらとした印象がありますが、顎の線がきれいに出ないと美しくないとか、腹部の厚みが気になるということでダイエットを始め、気がついたら月経が止まっていたという女性や、過食嘔吐をくり返すうちに体重がどんどん落ちて月経が止まってしまうこともあります。過度の栄養不良は「血虚」の原因になり、胞宮(西洋医学的には卵巣、子宮を含めます)の血液不足が長期間続くことにより月経が停止します。
<2>慢性疾患は「腎虚」「瘀血」の原因になります。
「久病」という表現をしますが、長い病気はからだの精気を傷つけるので、性ホルモンを司る「腎」に影響がおよび、女性ホルモンの働きが低下して月経が停止します。
<3>体脂肪率低下による月経停止もあります。
極端なトレーニングや筋トレを続けると体脂肪が減り過ぎてしまいます。
女性の場合、体脂肪率が17%を切る状態が続くと女性ホルモンが減少しやすくなります。また筋肉が多いと男性ホルモンが増えやすいので、月経が不順になるようでしたら筋トレもほどほどにしましょう。多嚢胞性卵巣のかたは男性ホルモンが多い場合もありますので、筋肉をふやすことによって悪化する可能性もありますので運動の仕方も考えましょう。
いずれの場合も停止期間が長くなるほど回復も難しくなります。ホルモン治療も必要ですが、からだを健康な状態に戻すことが回復を速めます。漢方薬を上手に使い、消化器を丈夫にして「気」「血」を補い、「補腎」することでご自身のホルモンの働きを活発にしましょう。
月経停止の症例
4才のお子さんがいらっしゃいます。27才の時に結婚し、4年目に自然妊娠、自然分娩で出産されました。そろそろ次のお子さんを希望していますが、出産以来月経がきていません。
初潮から月経量が少なく18才頃から月経不順が気になっていました。妊娠中51kgあった体重が、出産し授乳中に41kgに低下しました。現在は47kgまで回復しましたが月経が来ないのでとても不安です。一年前に半年ほど病院での治療を受け、ホルモン剤の服用をしましたが、卵胞が見えない状況が続いたので通院を止めてしまいました。
若いころから身長167cm、体重48kg。体脂肪率13%。と非常に痩せていらっしゃいます。月経もずっと不順ですから第1子を妊娠されて本当によかったです。出産後、授乳中にどんどん体重が落ちて41kgまで落ちてしまいました。もともと虚弱体質で胃腸が弱く小食の方でしたが、疲れるとなお食べられなくなるタイプです。母乳は血液から作られますからこの状態では月経が来るはずもありません。消化器を丈夫に「健脾」してきちんと食欲が出る状態にすることを目標にしました。同時に「補血」「補腎」。血液を増やしホルモンの働きを良くすることで体全体を丈夫にしていきます。
漢方薬の服用を始め2ヶ月で月経がきました。ご本人は「5年ぶりの月経でびっくり状態」ということですが嬉しそうです。食生活も以前とあまり変化はないようですが、しっかり栄養になっている気がするということです。半年間の服用で第2子を妊娠されました。妊娠中も服用を続け健康と体力を維持されています。