メニエル病
女性に多く、難聴や耳鳴り、めまいや吐き気、頭痛などの症状に悩まされる病気です
女性に多い病気で、難聴や耳鳴り、めまいや吐き気、頭痛などの症状に悩まされます。症状の現れ方にも差があり、グルグル回転して立っていられないほどの症状やふわふわと軽いめまいや耳鳴り程度のこともあります。単純にめまいだけ耳鳴りだけというのはメニエル病と診断されないこともありますし、違う病気のこともあります。
メニエル病は内耳の病気ですが、蝸牛管や三半規管、耳石器が浮腫むことで症状がでてきます。蝸牛管は音を感じる場所で三半規管と耳石器でからだのバランスをとっています。耳は非常に繊細な働きをしているのでちょっとした障害でも音が聞き取れないとか耳鳴りがする。平衡感覚が崩れて立っていられないなどの症状がでます。蝸牛管や三半規管にはリンパ液が詰まっていて、その中を音の振動や耳石が移動しています。
メニエル症候群といわれる症状が出る原因は蝸牛管や三半規管が浮腫みをおこすことです。繰り返すことが多いので、メニエル病の方はいつ症状が出るのかと不安を感じて外出を控えたりストレスを感じています。めまい止めや利尿剤で水分調節をする薬を処方されます。元来消化器が弱く浮腫みやすい、冷え性、血流が悪いというタイプの人がかかりやすいです。
メニエル病の症例
グラグラするめまいと吐き気、頭痛や頭重に襲われ、脳のMRIを撮ったが異常はなく血圧も120-70くらいで正常です。症状をくり返すので受診したところメニエル病と診断されました。
自営業でいろいろとストレスも大きく、子供さんの結婚も控えているので結婚式などで症状がでたらどうしようという不安感も強く、考えると眠れません。電車で2時間くらいのところに子供さんが住んでいますがひとりで行く自信がなく困っています。
1年前から左耳の聞こえが悪くなり耳鳴りも出始めています。若いころから冷え性で妊娠までに6年かかりました。鉄板のように肩こりがあり疲れやすい。最近はのぼせやすくて、胃の具合も悪くむかついたり白い唾がたくさん出ます。便秘はしないがスッキリ出ることは少なく残便感があります。
吐き気止めのイソバイトシロップがなかなか飲めず苦労されていました。ミオナールという肩こりに効く薬も効果が感じられず、毎晩湿布やパップ剤を貼っています。近所のお買い物や銀行なども発作が怖いのでお友達に運転をお願いしています。納豆や山芋などのヌルヌル系が苦手ですが甘いものは好物で、すぐに手が出てしまうようです。
メニエル病は西洋医学では耳「内耳」の病気ですが、中医学では「脾胃」の病気になります。「脾」は湿を生むところで甘いものは「湿」の原因になります。この「湿」は時間とともに「痰」というもっとネバネバしてしつこいものに変化するので改善するのに時間がかかるようになります。いつも内耳が浮腫んでグラグラし耳鳴りや頭重もあると、当然精神的にも不安になります。
食事内容や間食を見直して、身体に溜まった「痰湿」を排泄して爽やかなからだに変えていくようにしました。身長155cm。体重は58kg。ご自身もダイエットを希望されていましたので、ケーキやおまんじゅうなどの甘いものや、ぶどうや桃の食べ過ぎに気をつけていただき、煮物は出汁で煮つけて砂糖は極力使わない調理をおすすめしました。漢方薬ものんでいただいたところ、1ヶ月もすると身体がすっきりしてきてあごの輪郭がはっきりしてきました。
めまいやグラグラの回数が減るとともにむねやけや唾も出なくなりました。3か月後には一人で電車に乗り、子供さんのところに出かけられるようになりました。からだが軽くなったので動きやすくなり、運動量が増えると体重も減り睡眠も改善します。気が緩むと甘いものが誘惑するというので、間食が欲しい時間に漢方薬をのんでいただくことにしました。現在はお孫さんの誕生を楽しみにされています。